膣トリコモナスはトリコモナス原虫の膣感染により発症する性感染症になります。
性病の中でも特に性行為により感染する確率が高い感染症であり、健康的な男性あるいは女性であっても、既にトリコモナス原虫が寄生している人もいると言われています。
トリコモナス原虫は男性も感染しますが、基本的にほとんどの男性は感染している事に気がついていません。
何か違和感を感じてから病院に行くことを考えている人も多いですが、自宅で検査できる検査キットという商品がありますので、何か気になるときには積極的に検査をしてみましょう。
なぜ膣トリコモナス症になってしまうのか?
男性に寄生するトリコモナス原虫は、主に亀頭付近から尿道に寄生します。
男性がトリコモナスに感染しても多くの場合自覚症状が乏しいため、そのまま飼いつづけてしまうというケースが多いようです。
このような男性が性行為で女性に移してしまうと、女性の膣内で菌が増殖して炎症を起こすといったケースが多いと言われていますので、男性は自覚症状がなくても、出来る限りの注意をして事前に検査をしておくくらいのデリカシーを女性に対して持っていたいものですね。
トリコモナスという性感染症は、トリコモナス・バジナリスという原虫が要因となり発症するものです。
トリコモナス原虫の画像を不妊治療お薬ナビさんのWEBサイトより引用させていただきました。 出典:不妊治療お薬ナビ
トリコモナスに感染している男性の感染者数はそこまで多くないという特徴があります。
男性の亀頭付近に寄生したトリコモナスの原虫は、男性の性的特徴により、排尿時に尿と一緒に流れてしまったり、あるいはシャワーを浴びたりしたときに、水と一緒に流れていくことが多いため、寄生自体に気がつかないうち自然に治癒してしまう事があるからです。
ところが女性の場合、感染経路のほとんどが性行為であり、女性の感染場所は膣内になります。
膣内に感染したトリコモナス菌により、膣内を酸性に保ち自浄作用を保持していた常在菌(デーデルライン桿菌)が減少し、中性状態になる事で、トリコモナス菌が繁殖し炎症を起こすようになります。
女性が感染してしまった場合には、尿で流れてしまうことも、シャワーで流れてしまうこともありません。
それがトリコモナス症と言えば、「膣トリコモナス症」と置き換えられるほど女性が発病しやすいといわれる所以と言えます。
膣トリコモナス症を防ぐための注意点
女性の性的特徴上、男性同様にトリコモナスに感染してしまった場合と比べ、自然に治癒してしまうことはまずありません。
女性は、膣内に存在している常在菌(デーデルライン桿菌)が適度に膣内を酸性に保つことで、自浄作用が働いています。
このデーデルライン桿菌については、以下wikipediaと、古い学術文をご紹介します。
デーデルライン桿菌とは、思春期以降の健康な女性の膣内に生息する多数のグラム陽性桿菌である。
思春期以降の女性の膣上皮には、女性ホルモンの働きによってグリコーゲンが蓄積するが、これらの乳酸菌は剥離した細胞のグリコーゲンを栄養源として定着している。これらの菌が産生する乳酸によって膣内のpHは酸性に保たれており、このことによって他の病原細菌の侵入増殖を阻害する。すなわちデーデルライン桿菌は、膣の自浄作用を担い、生体バリヤーとしての役割を果たしていると考えられている。
引用:wikipedia
学術文はこちら(pdfが開きます)
つまり女性がシャワー時などに、清潔を保つためと勘違いをして、膣内まで念入りにシャワーで洗浄を続けていると、このデーデルライン桿菌まで洗い流してしまうことになります。
これは結果としてより菌が住みやすい中性状態を作り出してしまうことにも繋がり、雑菌の繁殖を促してしまうことになります。
もちろん男性と違ってトリコモナス菌が尿により流れてしまうこともありません。
この事からも、女性が感染を防ぐ最も効果的な方法は、やはり性行為時に安全の確認が出来ない男性へのコンドームを着用を守らせること、そして不衛生なものや公共の場所でのタオル共用を避けるなど、性器との接触を避けることが大事と言えます。
トリコモナスの感染経路
トリコモナス菌の感染経路について、国立国会図書館に学術文が公開されています。
こちらの研究によると、性行為による感染の他、院内感染、公衆浴場での感染について発表されています。
ただ、この研究が昭和42年のものですので、院内感染については余程不衛生な病院でない限りは殆ど気にしなくても良いでしょう。
また、公衆浴場での感染については、面白いデータが出ていて、37℃のお湯、41℃のお湯でのトリコモナス菌の変化が記録されていて、41℃のお湯では菌は殆ど死滅してしまうことも書かれています。
この学術文からも感染経路のほとんどが性行為によるものであることがわかりますが、このあたりにも、日常生活で気をつける事、清潔に保つポイントが見え隠れするように思います。
男性のトリコモナス検査の判断基準は?
男性の場合は尿検査をすることでトリコモナス感染を検査することができます。
検査キットでは朝いちばんの尿を採取して、それを郵送して検査してもらうことになります。
性行為をしてから1~2日後には検査可能となっているので、症状はなくとも何か思い当たるフシがある場合には、積極的に検査するようにしましょう。
男性がトリコモナスに感染している場合には、以下のような症状がないか確認してみましょう。
- 排尿時の痛みや違和感がある
- 尿道から膿が出ている
このような症状がある場合には、トリコモナスを含む何かしらの性病を疑ってみるべきでしょう。
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女性のトリコモナス検査の判断基準は?
女性の場合、残念ながら男性のように一般的な日常生活の中でトリコモナス菌が事前に流れていってしまうことはありません。
もし感染してしまった場合、基本的には膣の中に滞在し続け、そのまま放置していると膣炎まで病状は進行していきます。
そして、感染してしまっても、症状が出るまで約1週間から1ヵ月程度かかることもありますので、場合によっては知らぬ間に他の誰かへ拡散してしまうことにもなりかねないのです。
女性のトリコモナス検査には、膣分泌検査という方法を用いて検査します。
膣の中に検査キットに同梱されている専用の綿棒をいれて、膣分泌液を採取して検査します。
検体採取自体は簡単にできますので、できる事ならば定期的に性病の検査を続けることをおすすめします。
膣トリコモナス症に感染しているか、判断基準の目安としては以下の様な症状になります。
- 性器周辺にかゆみがある
- 外陰部のただれ
- 悪臭を伴う黄緑色のおりもの
- 排尿時に痛みを感じる
トリコモナスは男性と女性では重みの違う性感染症と言えそうですが、発症すると残念ながら女性の場合には自然に治癒するということはありませんので、不安に思うことがあるならば、早めに検査をおこなう事をおすすめします。
また、トリコモナスの検査と同じ検体採取法で検査できる性病もあり、同時に検査する事を強くおすすめします。
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まとめ
トリコモナス原虫の感染による性感染症の、トリコモナス症、膣トリコモナス症の検査について紹介してきました。
男性にとって自然に治癒してしまうこともあるトリコモナス感染症ですが、女性にとっては検査必須の感染症であり、しかも一方的に移されてしまうこともある性感染症でもあります。
せっかく感染が発見されて日常生活に戻れても、また身近なところから感染してしまう可能性の事も考えますと、トリコモナスを検査する時には、同時に行える他の性感染症の検査、そして性行為を持つ男性とのペア検査をおすすめします。
大人の女性にとっては、そして大人の男性のマナーとしても、ある程度定期的な性感染症検査をしておくことで、お互いに安心した生活を過ごすことが出来るようになります。
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